ナウ・レッツ・ビギン

Now, let's begin!

仁生会の幹部職員が毎月リレー投稿しているエッセーです。

ナウ・レッツ・ビギン一覧

リーダーシップ(№341)

 平成最後の年が明けました。年末年始はそれぞれに過ごされたと思いますが、特に勤務だった方々には感謝の気持ちをお伝えしたいです。ありがとうございました。皆様のおかげで仁生会は機能を発揮し続けることができました。
 さて、30年前は何をしていたのかと思い出しますと、昭和天皇崩御の報道に驚くことなく、割と冷静に報道番組を見ていた記憶がよみがえります。どの番組も同じような内容の繰り返しで、すぐに賞味期限が過ぎてゆきました。誰がリーダーシップを発揮して番組を作成しているのか全く伝わってきませんでした。
 30年が経過した現時点でも同じような状況かと思いますが、我々の医療現場ではいかがでしょうか? そうリーダーシップです。
 広辞苑では「指導者としての地位または任務。指導権。」「指導者としての資質・能力・力量。統率力。」と記載されています。つまり、リーダーシップは指導者に求められるものとして捉えられています。逆に言いますと、指導者でないものにリーダーシップを求めていなくて、極端に言えば指導者でないものにリーダーシップは不要だとも取ることができます。
 本当にそうでしょうか? 私は違うと思います。
 入職1年目であれ、20年目であれ、どのような職種、どのような役職であれ、すべての職員にリーダーシップは求められていると私は考えます。日常の業務のなかで気づいた疑問点、本当にそれでいいの?と不思議に思う心、こうすればもっとうまくできると思うと提案したい気持ち、それらがまさにリーダーシップではないでしょうか。すべての職員がこのような気持ちをもって、意識をもって、同じ向きを向いて進むことができれば、職場は進化し続けることができると思います。皆さんの気持ち、意識を的確に捉え、まとめ、そして現場にフィードバックするのはもちろん管理職のつとめです。皆さん、今年一年リーダーシップを持ってみませんか?

(ウクレレ狸)

素人の、素人による、素人のための仏さま 第一章(№340)

 1年振りで仏様の話です。前回、仏様(像)の世界は4段階に分かれた階級社会で、高いランクから順に如来、菩薩、明王(みょうおう)、天となっていることを書きました。
 最高位の如来は悟りを開いた者を意味し、全体的にはかなり質素な身なりをしているのが特徴で、大きくは釈迦如来、阿弥陀如来、大日如来、薬師如来があります(奈良→平安→鎌倉と時代の変遷が関わってきます)。釈迦如来は仏教の開祖であり実在したブッダ(ゴータマ・シッダールタ)のことで、基本となる仏様です。薬師如来は左手に薬壷を持ち東方(瑠璃光)浄土で人を救い、阿弥陀如来は西方(極楽)浄土で人を救うとされる。大日如来はほかの如来と異なり装身具を身に着け、きらびやかに着飾っています。密教の最高仏で、密教の世界観においてはすべての仏(釈迦如来も)は大日如来の化身であると解釈されています(素人にはなかなか理解しにくいところです)。
 如来には助さん角さんのようなサポート役(脇侍 わきじ/きょうじ)がおり、階級が1つ下の菩薩が担います。その組み合わせは次の如くで、寺院ではセットで3体が並んで祀られていることがあります。
  釈迦如来:文殊菩薩と普賢菩薩
  薬師如来:日光菩薩と月光菩薩
  阿弥陀如来:観音菩薩と勢至菩薩
 菩薩は、悟りをひらくための仏道修行に励みながら、悩み苦しむ衆生(人々)を救おうと尽くす仏様とされていて(忙しそう!)、如来と比べて着飾ったり装飾品を身に着けていることが多いようです。有名なのは「慈悲」を神格化した観音菩薩で、基本となる聖(しょう)観音(単に観音様という時はこの観音を指すよう)と、そこから変化したものとして千の手(千の眼も持っている)で自在に人々を救済する千手(せんじゅ)観音、十一の顔を持ちさまざまな方向から衆生の声を聴き救済する十一面観音などがあります。観音の他になじみが深く人気の菩薩には地蔵菩薩があり、これはお地蔵さまと呼ばれ親しまれています。地蔵菩薩は、ブッダが亡くなってから地上に弥勒如来が現れるまでの56億7千万年の間(?)、生きとし生けるものを救済する役割があるのだそうです。その他、「3人寄れば文殊の知恵」の文殊菩薩は知恵をつかさどる仏で獅子に乗っている姿が多く、五台山竹林寺にもご本尊として祀られている(秘仏であり50年に1回しか公開されない)のを知っている方も多いのでは。如来も菩薩も、立像や座像などいろいろな姿勢をとっているものがあります(如来には座像が、菩薩には立像が多いような気がしますが)。
 以上、少しややこしくなりましたがお寺の仏様を観る時に少し参考になれば幸いです。
 To be continued(次は明王、天について)

(神仏習合)

平成最後の年の瀬ですね(№339)

 細木病院グループの職員の皆様、こんにちは。もうすぐ年の瀬が来ますが、今年は、どんな年でしたでしょうか?
 運が良かった人、悪かった人・・・人には、色々の人生があります。巡り合わせが良かったと思っていても、そうでもなかった人、何となく付いていなかったと思っていたけれども、今になったら良かったなあと思うことが多かったと思える人、等々、色々の出来事の結果が年末ですねえ。
 考えてみますと、人生全て「塞翁が馬」の気がします。運命が巡り巡って、その人の人生が決まって行くのですね。長い人生の中で、ほんの些細な出会い、すれ違いによって、その人の一生が決まる気がしています。具合が悪くなった時、夜中だったにもかかわらず、偶然、専門医のいる病院が引き受けてくれたり、すごく幸運が付いて回る人もいれば、どうしてこんなにタイミングの悪い場所や時間に病気になったの?と思われる方もいらっしゃいます。
 職員の皆様は、あらゆる病気の方々に直接、或いは、間接に携わる、やりがいのある仕事なのです。必要とされて、感謝される仕事では、医療が最も崇高な職業のように思います。仕事は、奉仕ではありませんが、どんなにしんどい仕事でも、心からの「有難う」の言葉がすべての疲れを癒し、気持ち良い満足感に繋がる様に思います。
 笑顔や声掛け、勿論技術面でも、今年の自分より、新しい年の自分が、少しでも輝く年であります様に。今年も一年、大変お疲れ様でした。迎える新年が、職員の皆様にとって幸多からんことを心から祈っております。

(ナズトラビ)

世界のクリスマス(№338)

 クリスマスはもともとキリスト教のお祭りですが、世界中に広がるにしたがって国ごとにさまざまな習慣が生まれました。
 レバノンでは、クリスマスツリーは飾りません。代わりにクリスマスの2週間前に、レンズ豆やヒヨコ豆、小麦などを植えます。するとクリスマス当日までには芽が出るので、この芽を飾ってお祝いをするそうです。これはキリストの復活を象徴しているのだそうです。
 メキシコでは、マリア受胎を祝うため、 12月16日から25日にかけての9日間をお祝いします。子どもたちは、ピニャータと呼ばれる派手に飾り付けされたくす玉を割ります。すると中からはお菓子がたくさん!子どもたちにとってのクリスマスの楽しみとなっているそうです。
 アイスランドには、クリスマスまでの13日間、毎日家を訪れる13人のトロールがいると言われています。その日一日いい子にしていると小さなプレゼントを置いていってくれますが、悪い子だと腐ったジャガイモを置いていくそうです。サンタさんは1日しか来ませんが、13日も来ると考えればちょっとお得かも?
 ニュージーランドは南半球にあるため、クリスマスの時期は夏真っ盛り。ビーチに行ったりキャンプをして、外で過ごすことが多いようです。そしてクリスマスのごちそうは、アウトドアの定番バーベキュー。
 世界から不思議だと思われている日本のクリスマス習慣、それはケンタッキーフライドチキンを食べること。日本には欧米の家庭のようにローストチキンを一羽丸ごと焼けるようなオーブンがなかったところに目をつけ、ケンタッキーが大々的なキャンペーンを行い根付かせた文化だと言われています。アメリカなどの感覚からすると、大事なクリスマスのお祝いにファストフードを食べるなんて!ということなのでしょうが、ケンタッキーがクリスマスに食べられるようになってから早40年以上。もはや立派な伝統になったと言っても過言ではないでしょう。

(makonda)

雪舟の再発見!(№337)

 雪舟にまつわる次の逸話はあまりにも有名です。小僧の頃絵ばかり描いているのを咎められ、和尚さんに懲らしめのため柱に縛られてしまい、夕刻に心配した和尚さんが様子を見に行くと、縛られた雪舟の前の廊下の床に生きたねずみがいるではありませんか。しかし、それは実は雪舟が涙で床に描いた絵だったという言い伝えです。
 昨年秋に78年間行方不明であった雪舟の「倣夏珪山水図(ほうかけいさんすいず)」という団扇の形をした雪舟の真筆の絵が見つかり山口県立美術館で記念の展示会が開かれるという報道がありました。また、それに先立って、京都国立博物館で国宝展が開かれることを知りました。出品は多岐にわたり、縄文時代の土偶や火焔型深鉢土器、俵屋宗達の風神雷神図屏風、尾形光琳の杜若図屏風、漢委奴国王印などのいくつもの国宝と並んで目玉の一つが雪舟の水墨画(全て国宝)6点が揃うとの触れ込みでした。そこで私は、にわかに雪舟に興味を持ち、京都へ行って水墨画6点を実際に目にすることができました。しかし惜しむらくは、その中の四季山水図巻(山水長巻)は広げると実に17mに及ぶ大作の絵巻物でスペースの関係で全部が開かれておらず、半分の春と夏の部分しか見ることができませんでした。それが心残りで、後日、山口県立美術館に今回再発見された水墨画を見に行く際に、防府市にある本来の所蔵先である毛利美術館にも立ち寄り、京都から展示期間を終えて戻っているはずの山水図長巻の残りの秋・冬の部分を見ることを思い立ちました。実際に訪れて目にした長巻図の全長は、岩や崖の線を迷い無く描く荒々しく鋭いタッチ、それを駆使して切り取った長閑な春から厳しい冬へと移り変わる静謐な四季の風景、わずかな筆さばきにこめられた今にもヒトの息吹を感じさせる小さくてユーモラスな人物像、さらに水墨画なのに実際には緑の彩色が施されているという新しい発見もありました。
 雪舟は作庭家としても知られ、京都東福寺(臨済宗東福寺派総本山)そばの芬陀院にある枯山水庭園を請われて作ったことでも有名です。それを賞して一寺を造って賜るとの時の九条関白の申し出を断り、周防大内氏の後援を得て遣明船で明に渡りその当時の中国の最先端の夏珪を始めとした水墨画の泰斗の画風を学んで帰国し、その画業を極めたそうです。京都で展示されていた国宝の水墨画はいずれも帰朝後の作品で、雪舟禅師のひたむきなその生涯に清清しい感動を憶えました。

(一観覧者)

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